配偶者控除が変わる!?

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

さて、昨今の新聞報道等で話題の『所得税の配偶者控除』の改正について、少し解説したいと思います。

この改正は、2017年度税制改正の大綱に盛り込み、2018年1月~適用しようとするもので、まだ決定ではなく、案が浮上しているという段階です。ただ、おそらく適用になると思います。

まず、現在の『所得税の配偶者控除』は、世帯主に扶養される配偶者の「年間給与収入」が『103万円以下』の場合、世帯主の所得税の計算上、所得から38万円を控除するものです。

そして結果として、扶養されるその配偶者本人も、所得税は課税されません。詳しくは以前のブログ「103万円に壁がある!?」https://success-a.com/blog/tax-system/136/ を参照ください<(_ _)>

今回、この制度の『103万円以下』を『150万円以下』に改正しようという動きなのですが、報道を見る限り、どうも「減税」となる『世帯主の税金』にばかり焦点が当たっているように思います(*_*)

この制度が実現した場合、以下の注意点も考慮に入れる必要があります!

(1)配偶者本人に、所得税と住民税が発生する。
(2)世帯主が社会保険加入の場合、配偶者はその扶養から外れ、自身の勤務先の社会保険に加入し、健康保険と厚生年金を負担する必要がある。
(3)世帯主の勤務先給料に、手当として「配偶者手当」や「家族手当」が付いている場合、それらが付かなくなる可能性がある。

(1)による税負担増額は、年収150万円で約13万円です。
(2)による社会保険負担増額は、年収150万円で約22万円です。
(3)は世帯主の勤務先によって異なりますが、月1万円として年間12万円です。

すなわち、世帯主の「配偶者控除」の上限を150万円以下に改正したとしても、上記(1)~(3)に何らかの対策を講じない限り、国が考えるような女性の社会進出の後押しにはならないと思います。

この改正の動き、まだまだ目が離せません。
動きがあり次第、皆様にお知らせ致します!!

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太陽光発電と消費税( ..)φ

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こんにちは
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今回は、太陽光発電と消費税の関係について紹介したいと思います。

消費税そんなの関係あるのと思われた方もいると思いますが、実は、順序立てて一定の手続きを行った場合には、太陽光発電設備の投資に生じて支払った消費税が、国から還付されるんです

1,000万円の設備で80万円、2,000万円の設備で160万円、3,000万円の設備で240万円の消費税負担になりますので、バカにできません

ただし、自宅の屋根に設置した太陽光設備による「余剰電力」の売電の場合は、還付の対象になりません
あくまでも、反復・継続・独立した「事業」として行う売電設備に限られます

ではまず、消費税の仕組みから紹介します。消費税は間接税と言われる税金で、消費者⇒預かり事業者⇒国庫の順番で国に納付されます。消費者は負担していますが、国に支払うのは、消費者から預かった事業者になります。

太陽光発電設備の場合、設備工事を行った業者が、設備投資をした売電者から消費税を預かり、それを国に納めます。結果として、太陽光設備投資の消費税部分は、国に納められているわけです。

では、それがなぜ国から還付されるのかですが、消費税は、事業者が「預かった消費税」から「支払った消費税」を差引いて、その残額を国に支払う制度になります。この時もし、「預かった消費税」よりも「支払った消費税」の方が多ければ、その分を国から還付を受けることができるという制度なのです

太陽光発電の場合、初年度は設備投資が大きいため、「支払った消費税」の方が多くなり、手続きをすれば、消費税の還付が受けられるという仕組みです

しかし、ここで一つ注意点があります

消費税は、2年前の年間売上高が1,000万円に満たない事業者の場合、納税の義務はありません。納税義務のない事業者を「免税事業者」と呼びますが、「免税事業者」は消費税の還付を受けることはできません

消費税の還付制度は、消費税の納税義務のある「課税事業者」にのみ認められた特典なのです

この還付を受けるための「課税事業者」になるためには、所轄税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出する必要がありますが、提出時期を誤ると、還付を受けられません

ですから、消費税の還付を受けようとする場合には、税理士に早めに相談し、設備投資前から順序立てて計画を行い、手続きすることをおすすめします

弊社でもご相談賜っておりますので、お気軽にお問合せください

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太陽光発電と税金(3)

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こんにちは
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今回は、太陽光発電設備と税金シリーズ第3弾『環境関連投資促進税制』について紹介します
この税制上の特典は、法人・個人事業主ともに、前回紹介した「青色申告者」についてのみ認められています

この税制は、会計上の『減価償却制度』がその前提にありますので、まずその説明からしたいと思います

例えば、事業用の建物や車両、機械などは、価額も高額であり、何年にも渡ってその資産を使用します。このような資産を会計上「固定資産」と呼びます。税金計算上は、『取得価額が10万円以上で、かつその使用の効果が1年を超えるもの』を指します。

固定資産を取得した場合、その取得した金額を、一括で経費処理するのではなく、その資産の効果が及ぶ期間に分割して経費処理します(青色申告者の場合、年間合計300万円まで、単価30万円未満の資産は一括で経費処理できます)。これを『減価償却』と呼びます。

では、何年に分割して経費処理するか

会計上の原則は、資産ごとに個別に耐用年数を見積り、その年数に分割して経費処理することになるのですが、実務上は、個別に見積ることが難しく、税務署との「見解の相違」が増えることになるなどの理由から、税務署が資産ごとに定める「法定耐用年数」を使用します。

太陽光発電設備は、法定耐用年数『17年』ですので、17年に分割して経費処理することになります

さて、今回の本題『環境関連投資促進税制』に戻りますが、この税制は、一定の太陽光発電設備を設置し、事業の用に供した青色申告者については、上記の通常の減価償却に加え、『取得価額の30%相当額の特別償却』か、『取得価額の7%相当額の税額控除』を選択適用できるというものです

要件などを簡単にまとめると、以下のようになります

【対象となる太陽光発電設備】
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法第3条第2項に規定する認定発電設備に該当するものに限られ、その出力が10キロワット以上のもの。

【制度の概要】
(1)取得価額の30%相当額の特別償却
(2)取得価額の7%相当額の税額控除(その年度の法人税または所得税の20%が限度)

※(1)(2)のいずれかを選択適用します。
※(2)の7%相当額が、その年度の税額の20%を超える場合、差額を翌年度に繰り越して控除可能です。

【適用期間】
平成30年3月31日までに太陽光発電装置を設置し、1年以内に事業の用に供すること。

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タワーマンションの課税が変わる!?

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今回は、先日明らかになった「タワーマンションの固定資産税の改正」について、タワーマンション節税、通称『タワマン節税』の観点から、そのカラクリを説明したいと思います。

まず、この『タワマン節税』は、固定資産税ではなく、相続税の節税スキームです。タワーマンションなどの高層マンションは、高層階の部屋になればなるほど、市場価格は高くなります。都心の一等地では、「億ション」と言われるような、何憶もする物件が多数あります。

さて、この「億ション」の部屋を所有していた方がお亡くなりになった場合、そのマンションはいくらの価値として相続税が計算されるのかという問題になります。

相続税法上、相続財産は原則、相続で取得した際の『時価』を基準に課税されることになっています。その『時価』を算定する方法が、「財産評価基本通達」という通達に定められています。この通達には、マンションの価額は、区分所有建物と敷地権に分けて、以下のように評価すると定められています。

〇建物部分 マンション全体の固定資産税評価額 × 専有面積割合
〇敷地権部分 マンションの敷地全体の価額 × 敷地権割合

この方法で評価しますと、市場価格に影響を及ぼす階層等の要素は全く考慮されず、部屋数の多いマンションの場合には、専有面積割合や敷地権割合が低くなり、結果として、市場価格よりもかなり低い評価額となります。 国税庁の調査では、市場価格と相続税評価額のかい離が、平均3倍になるそうです。

つまり、1億円のマンションが、3,000万円ちょっとの評価額になるわけです!!

このようなスキームが横行しているため、国税庁は従来より、行き過ぎた看過しがたいタワマン節税を行っている場合には、財産評価基本通達6項「財産評価基本通達によって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」を適用するという見解でした。

つまり、投資目的で何室も何棟も所有しているような、行き過ぎた節税の場合には、税務署から否認されるおそれもあるわけです。

このような状況の中、ついに、来年度の税制改正で「タワーマンションの固定資産税の改正」を行い、高層階へ行けば行くほど、固定資産税評価額が上がる(結果的に相続税の評価額も上がる)制度に変更しようとしているようです。

今後もこの動きから目が離せません(+o+)

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太陽光発電と税金(2)

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こんにちは
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今回は前回の続きで、太陽光発電と税金第二弾、税制上の優遇策について紹介したいと思います。
まず、前回のおさらいです

【法人】
売電収入の金額は、通常『雑収入』として会社の収益に計上。法人税等の課税対象。

【個人】
〇自宅に設置
『雑所得』になる。
損益通算(赤字部分を、給与や年金などの他の黒字所得と相殺して通算)不可
ただし、年間の売電による所得(収入―経費)が20万円以下で、それ以外の収入が給与と年金のみの場合、申告不要。
〇貸付不動産に設置
『不動産所得』になる。損益通算『可能』
〇事業目的として設置
小規模な場合は『雑所得』で損益通算不可
出力50KW以上など一定の場合『事業所得』で損益通算『可能』

今回は、法人か?個人か?という区分ではなく、『青色申告』か?『白色申告』か?という区分で考えます。

青色申告所得がたくさん出て、顔が真っ青になる申告ではなく、法人個人を問わず、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しく行われる申告を意味し、税務署に承認申請書を提出することにより、様々な特典を受けられる制度です

一定水準の記帳とは、一般的に複式簿記を用いた会計帳簿の備付けを意味しており、会計事務所や税理士に委託している場合は、必ずこの条件は満たします。

ただし、これもまた、個人所得税の『雑所得』には、青色申告がありません
ここは注意してください

では、青色申告の特典の中身ですが、下記のようになっています。

≪個人所得税≫
〇青色申告特別控除
所得から10万円あるいは65万円の控除があります。65万円の控除を適用する場合、確定申告書に「貸借対照表」を添付する必要がります。ただし、不動産所得の場合、貸付不動産が『5棟以上または10室以上』ないと、65万円控除は適用できません
〇青色専従者給与
通常は認められない、同一生計の親族への給与の支払いが、一定の届出書の提出で可能になります
〇損失の繰越しと繰戻し
損益通算適用後にまだ赤字になる場合、その損失を次年度以降3年間繰越して、次年度以降の黒字所得と通算できます。あるいは、その損失を前年度(1年だけ)の黒字所得と通算して、前年の所得税の還付を受けることもできます

≪法人税≫
〇青色欠損金の繰越控除と繰戻し還付
その事業年度で生じた欠損金(赤字所得)は、次年度以降9年間繰越して、次年度以降の黒字所得と通算できます。あるいは、その損失を前年度(1年だけ)の黒字所得と通算して、前年度の法人税の還付を受けることができます

これ以外にも、個人法人を問わず、売電設備の取得に関係する大事な特典が、青色申告にだけ認められています。これについては、次回詳しくご紹介します

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