公的年金等控除額について

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

平成30年度の税制改正に向けて、高額所得者(年収1,000万円超を想定しているようです)の所得税の控除縮小が今、政府内で検討されているようで、連日そのことが報道されています。

前回のブログ(https://success-a.com/blog/tax-system/528/)で『給与所得控除額』の縮小の話題を取り上げましたが、今回は、年金収入から控除される『公的年金等控除額』について、その内容と、どのような改正が検討されているかを紹介致します。

まず、年金の課税関係は、年金の収入に応じて一定の概算経費を決め、その概算経費を、年金収入から控除して課税することになっています。

この控除される概算経費を『公的年金等控除額』と呼び、年金収入者の年齢と年金額に応じて、以下のように決められています。

この『公的年金等控除額』は、「給与所得控除額」の年金版と考えてもらうと分かりやすいと思います。

【65歳未満の方】
●年間年金額130万円未満
70万円
●年間年金額130万円以上410万円未満
年金額×25%+375,000円
●年間年金額410万円以上770万円未満
年金額×15%+785,000円
●年間年金額770万円以上
年金額×5%+1,555,000円

【65歳以上の方】
●年間年金額330万円未満
120万円
●年間年金額330万円以上410万円未満
年金額×25%+375,000円
●年間年金額410万円以上770万円未満
年金額×15%+785,000円
●年間年金額770万円以上
年金額×5%+1,555,000円

ここで言う「公的年金等」とは、国民年金、厚生年金、共済年金、国民年金基金、厚生年金基金、確定拠出年金などを指します。

さて、来年度の改正に向けて、この『公的年金等控除額』がどのようになるかですが、給料や不動産などの年金以外の収入が、年間1,000万円超ある方の控除額を縮小しようという動きがあるようです。

年金以外の収入があるならば、年金のみの方と同じような控除をする必要がないということだと思います。

また改正が決まりましたら、詳しく紹介致します。

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給与所得控除額とは!?

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

早いもので11月も半ばに差し掛かり、年末調整の季節がもうすぐやってきます。
平成29年分の所得税計算・年末調整は、昨年28年分とほとんど変更はありません。

来年平成30年分からは、配偶者控除の考え方と計算が変わりますので、また後日詳細致します。

さて、平成29年分の所得税計算・年末調整、ひとつ少しだけ増税になっている部分があります。

給料による年収1,000万円超の方のみ、少し増税になっています(*_*)

これは、『給与所得控除』という控除の金額が、年収1,000万円超の方のみ縮小されたからです。

具体的に説明します。まず、『給与所得控除』とは、給与収入の方の場合、個人事業者の方と違って、収入から差引く「経費」という考え方がなく、収入が決まれば税金が決まるシステムになっています。

しかし、給与所得者であっても、スーツ代や飲食費、書籍代など、業務上必要な出費がありますので、それを一律に決めて「概算経費」として規定しています。それが『給与所得控除』と呼びます。

この給与所得控除が、下記のように平成28年と29年で少し変更になったわけです。

≪平成28年≫
●給与収入1,625,000円以下
650,000円
●給与収入1,625,000円超1,800,000円以下
給与収入×40%
●給与収入1,800,000円超3,600,000円以下
給与収入×30%+180,000円
●給与収入3,600,000円超6,600,000円以下
給与収入×20%+540,000円
●給与収入6,600,000円超10,000,000円以下
給与収入×10%+1,200,000円
●給与収入10,000,000円超12,000,000円以下
給与収入×5%+1,700,000円
●給与収入12,000,000円超
2,300,000円

≪平成29年≫
●給与収入1,625,000円以下
650,000円
●給与収入1,625,000円超1,800,000円以下
給与収入×40%
●給与収入1,800,000円超3,600,000円以下
給与収入×30%+180,000円
●給与収入3,600,000円超6,600,000円以下
給与収入×20%+540,000円
●給与収入6,600,000円超10,000,000円以下
給与収入×10%+1,200,000円
●給与収入10,000,000円超
2,200,000円

年収1,000万円超の方の控除の上限が、10万円減少しています。

実は、この『給与所得控除』の金額、平成25年から段階的に、年収1,000万円超の方への狙い撃ちで、縮小されてきています( ゚Д゚)

平成24年までは上限がなく、「収入×5%+170万円」の『給与所得控除』がありましたので、5年前と比較すると、かなり高所得者への増税が行われています。

そして現在、さらにこの層の方の『給与取得控除』を縮小しようという議論が行われています。

また詳細が決まりましたら、紹介致します。

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共有名義と3,000万円控除( ..)φ

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今回は、以前紹介した相続で取得した空き家を売却した場合にも適用できる『3,000万円控除の特例』について、今回はもう少し突っ込んだお話を紹介します。

要件や注意点は、以前のブログ(『空き家と3,000万円の特別控除』https://success-a.com/blog/tax-system/435/)をご参照下さい。

さて、独り暮らしの親から自宅を相続し、相続開始後空き家になっていたものを売却する場合に、この特例が適用できるわけですが、もしその自宅を『兄弟の共有財産として相続』した場合、その取扱いはどうなるのでしょうか??

長男分の売却益だけ特例適用!?弟や妹は適用なし??
それでは不公平ですよね(*_*)

通常の考え方からすると、控除額(最大3,000万円)を、共有持分の比率で按分しそうですが、実はこの場合、『一人あたり3,000万円の控除』があります!!

つまり、兄が1/2、妹が1/2で相続した空き家を売却し、仮に5,000万円の売却益が出たとしても、兄3,000万円+妹3,000万円=最大6,000万円の控除枠がありますので、結果的にこの兄妹には、所得税は課税されません!

この考え方は、空き家の特例だけでなく、通常の「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」の場合も同じですので、例えば夫婦共有名義の自宅を売却した場合なども、3,000万円+3,000万円=6,000万円まで、所得税は課税されません。

しかし、これら共有名義の空き家や自宅の売却で、一つだけ注意しなければならないことがあります。 それは、共有名義のやり方です。

建物をAさん、敷地をBさんという共有の場合、以下のような取扱いになります。

【通常の3,000万円控除】 Aさん最大3,000万円適用/Bさん適用なし
【空き家相続の3,000万円控除】 Aさん、Bさん共に適用なし

つまり、
『通常の3,000万円控除⇒建物部分に持分がないと適用できない』
『空き家相続の3,000万円控除⇒建物にも敷地にも、どちらにも持分がないと適用できない 』
ということになります。不動産を共有にする場合には、十分注意して下さい。

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老人ホームと相続税( ..)φ

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今回も少し相続税の話題です。

今回は、前回まで紹介した居住用宅地の『小規模宅地等の特例』について、被相続人が相続開始時に「老人ホーム」に入居していた場合の取扱いを紹介します。

まずおさらいですが、この特例は、被相続人所有で、被相続人または被相続人と同一生計の者の居住用の宅地のうち、一定の要件にあてはまる場合には、その土地の評価額(相続税の課税価額になる金額)が、330㎡の部分まで80%減額されるというものです。
(詳細は『自宅の敷地は相続税減額!?』https://success-a.com/blog/tax-system/499/を参照ください)

つまり、原則、被相続人またはその同一生計の親族が、相続開始時点において居住している宅地でないと、減額の特例対象になりません。

したがって、以前住んでいて、今は誰も住んでいないような「空家」の敷地は、減額できないわけです。

そうすると、被相続人が老人ホームに入居していたような場合、自宅の敷地が相続開始直前において、被相続人の居住の用に供されていないこととなり、結果的に『小規模宅地等の特例』が使えない!?ということになります。

そこで、下記のいずれかの要件にあてはまる場合には、被相続人の居住の用に供されていたものとみなして、『小規模宅地等の特例』を適用できることになっています!!

(1)要介護認定又は要支援認定を受け、次の住居又は施設に入居又は入所していたこと

〇認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、老人ホ―ム
○介護老人保健施設
○サービス付き高齢者向け住宅

(2)障害支援区分の認定を受け、障害者支援施設などに入所又は入居していたこと

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二世帯住宅と相続税( ..)φ

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

さて今回は、前回の「自宅の敷地は相続税減額!?」に関連して、その住宅が『二世帯住宅』だったら??という観点で、節税策を紹介したいと思います。

自宅の敷地330㎡部分までの評価額を80%減額できるという「小規模宅地等の特例」ですが、前回のブログ(https://success-a.com/blog/tax-system/499/)で紹介した、その要件の(2)『配偶者以外の同居親族が取得し、相続税の申告期限(相続開始後10ヵ月)まで居住そして所有している場合』で、この住宅が『二世帯住宅』であった場合について考えます。

一言で『二世帯住宅』と言いましても、同じ敷地内にそれぞれの世帯の住宅が別々に建っているもの、渡り廊下や建物内部の階段で往き来できるもの、建物は別でも外階段で往き来できるものなど、様々だと思います。

さて、どういう場合に、「小規模宅地等の特例」が使えるのでしょうか?

まず、被相続人と同居の親族がその住宅用の敷地を相続した場合の特例ですので、同じ敷地内であっても、全くの別棟が建っているような場合は同居と言えませんので、この特例は使えません!!あくまで、一棟の住宅が大前提になります。

次に、その構造ですが、実はこの特例、平成25年までは、被相続人の住居部分と相続した親族の住居部分は、建物内部で往き来できる状態でないと適用できませんでした。

しかし、現在は、外階段でしかつながっていないような『建物内部では往き来できない状態』でも、適用があります。 ここで、一つだけ注意しなければならないことがあります。

それは、住宅用の建物を『区分所有登記』していた場合は、「小規模宅地等の特例」を使えなくなるということです。 『区分所有登記』とは、建物の1階部分は被相続人の所有、2階部分は相続人の所有というように、建物の各部分が、それぞれ独立した別個の所有権として登記されている場合です。

この場合、相続人は、被相続人と同居ではなく、また、自分のマイホームもすでに所有していることになりますので、そもそも「小規模宅地等の特例」が使えないわけです。

では、被相続人所有の敷地の上に、相続対策として『二世帯住宅』を建てたい場合、どうすればよいのでしょうか??
ズバリ、外階段で往き来できる一棟の住宅を、被相続人と同居親族の『共有』名義で建てましょう!!

『区分所有』はNGですが、持分で登記する『共有』であれば、その住宅の敷地全体が、「小規模宅地等の特例」の対象になります。

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