扶養の二つの意味!?

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

年末調整や確定申告の時期になりますと、よく『扶養に入る』『扶養にならない』『扶養の範囲で』というような話題が上がります。

さて、ここで言う扶養、つまり『扶養家族』とは誰のことを指し、どこまでが『扶養』になるのでしょうか?

実はこの『扶養』、とても奥が深い言葉で、結論から申し上げると、「税制上の扶養」と「健康保険上の扶養」では、意味が異なるのです(*_*)

まず、税制上の『扶養』は、下記の要件にあてはまる場合に適用となります。
(1)配偶者・6親等内の血族・3親等内の姻族
(2)同一生計であること
(3)配偶者の場合、年間の合計所得金額が85万円以下であること
(4)配偶者以外の場合、年間の合計所得金額が38万円以下であること

(1)ですが、内縁の夫や妻は、『扶養』に入れませんので注意が必要です。

(2)の同一生計とは、同居を前提にしているわけではありませんので、下宿している大学生や、実家で暮らす両親祖父母であっても、仕送りをしているなどしていれば、扶養家族にあたります。

(3)については、平成30年度より、配偶者特別控除の規定が改正されましたので、配偶者が給与収入のみの場合、年間収入150万円(この場合の所得が85万円)までであれば、俗に言う『扶養』となります。

ただし、納税者本人(世帯主)の合計所得金額が900万円超(給与収入1,120万円超)の場合は適用されませんので、注意が必要です。

(4)については、給与収入のみの場合、年間収入103万円までであれば、『扶養』になります。

次に、健康保険上の『扶養』は、下記の要件になります。
(1)配偶者(内縁を含む)
(2)3親等内の親族で同居している人
(3)内縁の配偶者の父母や・内縁の配偶者の連れ子で同居している人
(4)年間給与収入130万円未満

税制上の扶養との違いは、内縁の配偶者やその親族も含むことと、同居が前提になっていることです。

また、給与収入の要件が130万円までですので、配偶者で、例えば年収145万円の方の場合、税制上のメリットである配偶者特別控除を受けることは可能ですが、健康保険上は『扶養』になれません。

このような場合は、配偶者本人が、国民健康保険に加入するか、勤務先の社会保険に加入するかになり、追加の保険料負担が発生しますので、注意が必要です。

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