贈与税の特例その(4)

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こんにちは
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今回は、贈与税の特例第四弾『相続時精算課税』です。

この特例は、使い方によっては相続税対策にもなりますが、その側面よりもむしろ、財産の総額的に相続税の心配はない方が、『贈与税の負担をすることなく、早めに子供に財産を渡したい』場合に有効な特例です。

この特例は、65歳以上の親から、将来相続人になるであろう20歳以上の子に対して贈与が行われた場合、選択により、他の者から受ける贈与と区分して、贈与税の計算をします。

具体的には、一般贈与の基礎控除110万円を使わず、2,500万円の特別控除(一回の贈与ではなく、複数回複数年度で使用できます)を用いて計算し、それを超える贈与の金額に対し、一律20%の税率で贈与税を計算します。

つまり、2,500万円まで無税で、子供に財産を移転できます

ただし、この特例は、『相続時精算課税』という名前のとおり、相続時に精算…
そうです将来相続が発生した場合、この贈与した金額は、相続税の財産計算に取り込まれ、贈与はなかったものとして、相続税の計算を行います

したがって、基本的には相続税の節税対策にはなりませんが、そもそも相続財産が基礎控除以下で相続税が課税されない場合には、相続税も贈与税も発生しませんので、相続税がかからない世帯には有効な制度です。

この特例の注意点は、以下のとおりです。

〇この特例を選択する場合、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までの間に、贈与税の申告書と同時に、相続時精算課税選択届出書を提出する必要があります。
〇一度この特例を選択すると、その親からの贈与については、一般の基礎控除適用の贈与を適用できません。
〇相続時精算課税を選択した贈与者(親)以外からの贈与については、通常の110万円の基礎控除が使えます。
〇父親から2,500万円、母親から2,500万円の合計5,000万円の贈与も可能ですし、父親からは相続時精算課税を適用し、母親からは一般の贈与を適用することも可能です。

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