どこまでが修繕費??

Pocket

こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

今年は、地震や台風などの自然災害が非常に多くなっています。それにより、屋根瓦が吹き飛んだり、スレートが剥がれて雨漏りが起こったり、風や飛来物で窓や車のガラスが割れたりなど、各地で被害が頻発しています。

今後その修理を行うことになるのですが、事業用の資産については『修繕費』として、ほとんどの場合が一括で経費処理が可能です。

その『修繕費』ですが、場合によっては高額になることもありますが、さて一体どこまでが、一括で経費処理できるのでしょうか?今回は、その考え方を整理してみます。

まず、原則的な考え方は、金額の多寡にかかわらず、固定資産の「維持管理」や「原状回復」のために要した部分の金額は、いくら高額であっても『修繕費』となります。

ですから、災害により被害を受けた固定資産については、「被災前の原状に回復するための支出」や「被災前の効用を維持するための補強工事」「被災前の効用を維持するための排水または土砂崩れ防止の措置」に関する費用などは、一括で経費処理が可能です。

一方で、その修理や改良が、固定資産の「使用期間を延長」させたり、「価値を増加」させたりするものである場合は、その部分の金額は『資本的支出』として一括の経費とはならず、新たに固定資産を取得したものと捉え、減価償却をすることになります。

具体的には、以下のものが挙げられます。
●建物の避難階段など、物理的に付け加えた場合
●用途変更の模様替えなど、改造や改装をした場合

ただし、その修理や改良が「20万円未満」の場合や「おおむね3年周期」で行われる場合には、『修繕費』として一括経費処理してよいことになっています。

次に、支出した修理や改良費用が、上記の「修繕費」か「資本的支出」のいずれに該当するか明らかに区分できない場合についてです。

実務上はこの区分できない場合の方が多いのですが、この場合には、税務上以下の取扱いが認められています。

【支出した金額が「60万円未満」あるいは「取得価額の10%以下」の場合には『修繕費』として一括経費処理が認められ、それ以外の場合には、「支出金額の30%」を『修繕費』、「残りの70%」を『資本的支出』とする】という規定です。

もう一度整理しますと、以下のようになります。

【原状回復や維持管理にあたる修理改良】
⇒修繕費
【上記以外あるいは明確に区分できない修理改良】
(1)20万円未満あるいは3年周期
⇒修繕費
(2)(1)以外で60万円未満あるいは取得価額の10%以下
⇒修繕費
(3)それ以外
⇒支出金額の30%が修繕費

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村


経理・会計・税金 ブログランキングへ

Pocket