上場企業が中小企業に変身!?

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

なかなか収束しないコロナ禍で、先の見えない日々が続いております。

そんな中、実はこっそり、税務上の『中小企業に変身』している上場企業が数多くあることをご存じでしょうか。

まず「中小企業」とは、中小企業基本法に定めらている定義では、業種により、従業員数と資本金の金額に応じて細かく取り決められておりますが、法人税法上は『資本金1億円以下の法人』と規定しております。

今回の『中小企業に変身』は、この法人税法上の『資本金1億円以下の法人に変身』することを指しています。そして『変身』の方法は、「減資」という資本金の減少を行います。

「減資」を行う場合、株主に資本を払い戻す「有償減資」と、資本金を資本準備金に振り替えたり、累積の欠損金と相殺する「無償減資」という2つの方法がありますが、もちろん「無償減資」を採用します。

さて、なぜ上場企業が『資本金1億円以下』に『変身』する必要性ですが、これは『変身』のメリットと言い換えても良いかもしれません。

それは、ずばり『節税』です!

実は、法人税法上の『中小企業』にあたる『資本金1億円以下の法人』には、以下の様々な税法上の優遇措置が用意されているのです。

●繰越欠損金の全額控除
法人税法上、当期に赤字が生じた場合には、翌期以降に生じた黒字と相殺して、法人税を減額できる仕組みがあります。この仕組みを「欠損金の繰越控除」といいます。
この制度、資本金が1億円超の場合は、相殺できる赤字が50%が限度となっていますが、資本金が1億円以下の場合、赤字の全額を控除することが認められています。

●事業税の外形標準課税が適用されません
これは法人税ではなく、都道府県民税の一種である事業税について、資本金を基準に課税される「外形標準課税」の部分が課税されません。

●年間800万円までの交際費の損金(経費)算入が認められます
資本金1億円超の場合、交際費は全額損金(経費)算入できません。

●年間800万円までの課税所得に対する法人税率が15%と軽減
資本金1億円超の場合、法人税率は23.4%です。

●少額減価償却資産の損金(経費)算入
資本金1億円超の場合、10万円以上の資産取得はすべて、資産計上で減価償却となりますが、資本金1億円以下の場合、年間300万円までは、10万円以上30万円未満の資産の取得価額を、一括で損金(経費)処理できます。

●中小企業投資促進税制などの優遇措置があります
資本金1億円以下の場合、一定の資産の取得について、特別償却などの割増償却や、一括償却などが可能な制度が用意されています。

盛りだくさんですね。。。

中小企業は税制上とても優遇されているため、背に腹は代えられない!?と、節税メリットを享受するため、『中小企業に変身』する上場企業が増えているというお話でした。

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中小企業投資促進税制について

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

さて、このコロナ禍において、中小企業の資金繰り環境はめまぐるしく変化しています。特に、定期的に設備投資が必要な製造業においては、先の見えない状況の中、設備投資を行うか否かの判断に迷う場合も出てきます。

そもそも、設備投資を行った場合には、取得した『器具備品』『機械装置』などは「資産」として会計処理され、一括で経費計上することはできず、おおむね10年前後に渡って『減価償却』し、費用計上することになります。

しかし、中小企業では、支払いをした資金がその年度の「経費にならない」ことは、その分「利益」が多く計上され、自動的に「税金」が多くなることを意味しますので、とても悲しい現実です。

そのため、中小企業向けの設備投資減税の措置として、『中小企業投資促進税制』という制度があり、令和3年3月31日までであった適用期限が2年間延長されましたので、今回はその制度を紹介します。

【適用対象者】
青色申告書を提出する中小事業者等(※)
(※) 資本金1億円以下の法人・従業員1,000人以下の個人事業主

【対象設備】
≪機械装置≫
1台または1基の取得価額が160万円以上
≪測定工具≫
1台または1基の取得価額が120万円以上
あるいは1台30万円以上かつ複数合計120万円以上
≪ソフトウェア≫
一のソフトウェアが70万円以上
あるいは複数合計70万円以上
≪車両運搬具≫
貨物運送用のうち車両総重量が3.5トン以上のもの

【減税内容】
下記の「特別償却」と「税額控除」の選択適用

≪特別償却≫
取得価額×30%
通常の減価償却費に上乗せして「経費」として認められます。

≪税額控除≫
取得価額×7%( 法人税額の20%が限度 )
上記相当額が法人税額から直接控除され、 限度額を超える部分は1年間繰越すことができます。
(注)税額控除は、資本金3,000万円以下の中小企業者のみ認められています。

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納期の特例の源泉所得税

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

6月も下旬に入り、早いもので今年も半分終わろうとしています。

7月に入りますと、給与関連事務の一つである『納期の特例の源泉所得税の納付』という作業がありますので、今回はそれを紹介します。

まず源泉所得税とは、法人や個人事業主が給与を支払った場合、そこから一定金額を源泉(控除)して、所轄税務署に代わりに支払う制度になっています。

原則は、当月支払分を翌月10日(金融機関休業日の場合は翌営業日)までに、専用の納付書、あるいはイータックスを通じた電子納税で納税します。

しかし、常時使用する従業員や役員の合計人数が10人未満の場合には、毎月ではなく、年2回に分けて納付する特例制度があります。

この特例を受けることで、1月~6月分を7月10日まで、7月~12月分を翌年の1月20日までと、半年ごとにまとめて納付することができ、これを『納期の特例』と呼んでいます。

今年の上半期は、7月10日が土曜日ですので、7月12日(月)が納期限になります。

『納期の特例』が認められるのは、従業員の給与や退職金、弁護士や税理士等の報酬に対する源泉所得税に限られ、個人に対するデザイン料などは、原則どおり毎月納付となりますので、注意が必要です。

『納期の特例』を受けるには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所轄税務署に提出する必要があり、提出した日の翌月に支給する給与から、この特例が適用されます。

例えば、申請書を6月に提出した場合、7月に支給する給与の源泉所得税から適用開始となります。

また、従業員役員の合計が常時10人以上になった場合は、特例の要件から外れますので、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出しなくてはなりません ので、その点もご注意ください。

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脱ハンコと税務行政

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

少しずつ進んでいた行政のデジタル化が、コロナ禍により一気に早まりました。

令和3年4月1日以降、申告書も含め、 税務署や地方自治体に提出する税務関係書類については、原則押印不要になっています。

ただし、例外として、税務署に提出する 『実印の押印』と『印鑑証明書の提出』が必要な、下記の手続きについては、まだ実印の押印が必要です。

≪実印押印が必要な書類手続き≫
①税務署への担保提供関係書類
②遺産分割協議書

①については、納税猶予や延納・物納などの手続きの際に必要となり、②については、相続税・贈与税の申告書提出の際の添付書類として必要になります。

裏を返しますと、これら以外の申告書や申請書、届出書には、すべて押印が不要になっています。
 

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申告納付期限の個別延長について

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こんにちは(^-^)
サクセス会計 税理士の樋山博一です。

去る4月15日をもって、コロナ禍により延長されていた令和1年分と令和2年分の所得税確定申告の期限が到来し、一律一斉の申告納付の延長制度は終了致しました。

これまでは、新型コロナウイルスの影響により、申告納付の期限延長を申請する場合、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載する等の簡易な方法が認められていました。

しかし、令和3年4月16日以降は『災害による申告、納付等の期限延長申請書』を作成して提出する必要がありますので、注意が必要です。

『災害による申告、納付等の期限延長申請書』 の記載例
0020004-044.pdf (nta.go.jp)

申告納付の個別指定による期限延長を申請する場合には、この申請書を遅くとも、申告書の提出時までに、所轄税務署に提出してください。  

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